記念曲制作ものがたり

その31 新曲、間違う

8月28日の実演の件を、メールでY氏に報告したところ、その返信が帰ってきた。報告に合わせて、翌年の2月19日に開催予定の結成50年記念式への出席をお願いしていたのだが、快諾していただいた。
メールによれば、実際の演奏に立ち会える機会はあまりないので、ぜひ出席したいとのこと。お披露目の演奏があるものと考えられているようだ。

当日の演奏については、実はまだ見通しが立っていなかった。というよりも、私の中で「難しいのではないか」との印象を持っていたので、相談がまだできていなかったというのが正直なところである。

審議委員会で、ここまで検討し演奏もしてきたが、典楽器とりわけ篳篥の圧倒的な音量の大きさと、箏の小ささ、このアンバランスをどうするのかが、その間ずっと気になっていた。篳篥以外の楽器をその音量に比して増やせばいいのだろうが、ここに人の声であるコーラスが入るのだから、またまた話が難しくなる。典楽器の編成は最小限にしなければコーラスが隠れてしまうことは明らかだろう。すると典楽器のアンバランスさがそのまま出てしまうのである。
CDへの収録ならば調整もできるだろうが、ライブとなるとどうだろう。「やっぱり難しいのでは・・・・」と考えてしまうのだ。

それと、収録ならば一定期間集まって練習し臨むことができるが、記念式でのライブは、事前に集まることもできないしそんな時間はない。そんな一発勝負は、怖くてできないというのもある。
とりあえずは、収録に向けてのことだけ考え、その成果を見て考えようと、楽天的に考えることにした。

さて、私のところで典楽譜の整備を行い、M氏のところで洋楽譜を準備していたところ、11月の初旬に、3章の歌詞が間違っていることに気がついた。
「心は広く持っておれ 世界は広く考えておれ」との歌詞が
「心は広く考えておれ 世界は広く考えておれ」となっていたのだ。

こんなミスに今まで気がつかなかったとは・・・・。
さらっと読めてしまうだけに、気がつかなかった。まさに迂闊である。

典楽の演奏は、霊地在住の楽人に依頼して、まさに練習を始めようとしている時であった。コーラスについても、金光混声合唱団に収録の協力を依頼して、了解を得、12月の中旬当たりに収録を行おうと相談が出来ていたので、楽譜をどのような形で配布しようかと考えていた中のことである。
音符がそれぞれふられているだけに、単に歌詞を変えればいいという問題ではないことは素人の私でもわかる。さっそくY氏に事情を報告し、指示を仰ぐことにしたのである。

とりあえずは、強制的に一服である。