記念曲制作ものがたり
その26 新曲、意見を送る

M氏からのMIDIデータを加工しながら聴いて楽しむ。しばし、そのような作業で楽しんだ後、だんだんといくつかの気になる箇所が出てきた。

テキストの間違いについては触れたが、その他に龍笛、篳篥のパートに以前のアレンジ曲同様に装飾音がついている。たぶんその中には、「叩き」や「動」が含まれているのだし、篳篥では塩梅ということにもなろう。しかし、龍笛の楽譜には、明らかに「叩き」や「動」ではない装飾音が散見される。
今すぐに典楽譜への置き換え作業はできないので、とりあえずマークしておこう。

それと、笙が通常の典楽譜からは想像できない合竹として付されている。本当にこれで合うのだろうかというような合竹である。洋楽での和声からアプローチすればこのような手になるのだろうが、現時点では何とも言いようがない。そう言えば、笙の音が気に入らなくてボリュームを下げて聴いていたが、もしかするとこの和音にも問題があるのだろうか。しかし、実際に演奏してみてみないと分からないことではある。

それと一番気になったのは、1章、3章にピアノあるいはオルガンの伴奏譜がないことであった。一応、確認はさせてもらっていたつもりだったのだが・・・。
本教内において、典楽とコーラスの両方がそろう教会はきわめて限られる。その意味からは、本部での演奏をある程度イメージしていたということができる。しかし、それだけでなく、教会での演奏も可能な、例えば典楽しかない教会でも、コーラスしかない教会でも演奏が可能な曲として制作したかったのである。
現状では、典楽のみの教会では全曲使用が可能ではあるが、コーラスしかない教会では、2章しか使用できないのだ。なんとか、1・3章の伴奏譜がほしい。

 その願いを込めてY氏にメールを送った。今考えれば、曲の感想も何も言わないで、いきなり要望を送るのだから、失礼な話ではある・・・。

>Y 様

>新曲お疲れさまでした。
>今、M氏から送っていただいたMIDIを聴きながら楽譜を追っています。
>まだ、十分に吟味できていませんが、ここまでで気づいたことを報告いたします。

>まず、先般のメールで少し触れましたが、テキスト(歌詞)に間違いが少々・・・。

>(1) 第1章の楽譜上の歌詞が「疑いをはなたれて」になっています。
>   1Pに書かれている歌詞全文では「放れて」になっているのですが。
>   とりあえず「た」のところに四分音符がふられていますので、どういたしま
>   しょうか。

>(2)同じく第1章 「大道」は「だいどう」ではなく「おおみち」と読みます。
>  これは、間違いやすい漢字に適切な処置(ルビを振る等)をしなかった当方
>  の責任です。失礼いたしました。
>  とりあえず4文字ですので、そのまま置き換えればいいかとも思いますが、
>  ニュアンスの変化もあるので、ご教示をお待ちいたします。

>続いて、1章と3章についてですが、ピアノとできればオルガンの伴奏譜がほし
>いと思います。
>先の確認でも、

> ○使用する楽器は、笙、篳篥、龍笛、箏、オルガン、打楽器で、オプショ
>ンとしてピアノも使用できるようにする。箏は平調の調弦を使用する。

>となっていたと思います。
>笙とピアノ等を共演することはしませんので、笙をスコアから切り離した想定で
>付けてもらったらと思います。
>というのも、現在典楽とコーラスが一緒に練習できる機会は、ほとんど無いと言
>っていいくらいありません。
>今回の曲がきっかけとなって、そういう機会が増えていくことを願っていますが
>現状は、そのようなことです。
>したがって、コーラスの練習にはどうしてもピアノやオルガンの演奏譜が必要で
>す。ぜひともお願いいたします。