記念曲制作ものがたり |
その22 新曲、年を越す |
新曲の進捗状況は、当初のスケジュールからかなり遅れてきた。 最初に立てたスケジュールでは、2003年の6月には作曲者から提出してもらい、その年いっぱいを検討期間にするということであった。 その後、新曲に着手の段階で、2003年いっぱいで行うとの申し合わせをしたが、まあ、いろいろとアクシデントもあり、こちらの立てたスケジュールもおおざっぱなこともあり、仕方がないのだろう。 こちらも忙しくしており、なかなか連絡が取れ合えなかった年末の12月28日、作曲者のY氏からメールが届いた。案の定、新曲の年越し確定のお詫びメールである。 Y氏もがんばって頂いているようで、ありがたい。とりあえず来年1月いっぱいということで進めていただけるとのことであった。 私としても、今完成したものが来てもお手上げの状態であり、少しホッとした面もある。やるからにはY氏が納得できるものを創って頂きたいとも思う。 少々期間がのびてもなんとかなるだろう。そんな気持ちで、Y氏にメールを送ったのである。 >Y 様 > >こんにちは。 >岡田@残務に忙殺され、貧乏暇なし。です。 >こちらも、連絡をさせていただこうと思いながら、いつの間にか年末となって >しまいました。失礼しました。 >> それで、こちらの一方的なお願いで年越しを許諾させていただく事になるのですが、 >> 1月中をメドにさせてください。 > >了解しました。 >12月22日に典楽会の代表者が集まっての会合があり、新曲の進捗状況については >連絡が取れていないこともあり、たぶん遅れるのではとの一方的な思いもあって、 >「来年早々には」と言うようなニュアンスで報告しております。 >Yさんの納得できるようなものを創造していただくことが一番であり、そのために完成 >が少々遅れても、それは許容してもらえるものと思います。 >よろしくお取り組みください。 > >連絡が遅れ申し訳ないのですが、去る11月30日に大阪で会合があり、その際に「いざ >もろともに」の合わせを短時間でしたが行っております。 >また後日、CD等のメディアで送ろうと思っていますが、その中で出てきた諸点について >先にご報告しておきます。 >○「神人の栄光」より歌詞の言葉数が多いところから、メロディが早く変化するため、 >ほぼ主旋律通りに演奏する篳篥、龍笛は、忙しいというか、本来の響きを考えることなく >、音孔を追うのみに走ってしまう。 >これは、典楽(たぶん雅楽も含めて)のスタンスからの意見だと思います。典楽において >例えば2分音符で現された黄鐘(A)という音は、単に黄鐘(A)という音を2分音符分 >吹くだけでなく、その時間の中で、弱冠の揺らぎや強弱が演奏者個人の感覚により付与さ >れます。それが、典楽の持つ響きにつながっていくのだと思います。 > >典楽を演奏する立場(管楽器)からすると、単純な旋律の方がふさわしいと思われます。 >個人的な意見としては、主旋律は主旋律としてしっかりしたものを持ち、管楽器は、主旋 >律を忠実に追うのではなく、一部省略して伴奏させる方が典楽本来の響きが出せるので >はと思います。 >素人考えで申し訳ありませんが、篳篥と龍笛がユニゾンで進行するのでなく、主旋律を >篳篥と龍笛で分担していくことができないか。あるいは、主旋律パートを別立してしまう >とか(第1篳篥と第2篳篥)・・・・・・。 >(あくまでも素人考えです。はい) > >いずれにしても、こうした違いを新曲の中に、洋楽のスタンスを含めて考えていただき >たいと思います。 > >○龍笛のソロから箏がつくタイミングがとりづらい。 > >○打楽器については、「神人の栄光」時の課題と同じです。 > >○箏パートについても、、「神人の栄光」時と同じく難度の問題が出ました。ただ、手数を >減らせば演奏ができるというものではなく、かえってリズムに乗れなくなってしまうので、慣 >れてもらうしかないのでは、とのことでした。 > >以上、遅くなりましたがご報告まで申し上げます。 >後日、CD(MD)を送ろうと思っていますが、作業がいつになることやら・・・。 >できるだけ早めにいたします。 > >それでは、よろしくお願いいたします。 |