記念曲制作ものがたり |
その4 アレンジ曲と新曲歌詞を選ぶ |
Y氏への依頼内容を整理してみると 1、3分〜5分程度の曲を3曲程度合わせた新曲の作曲 2、金光教で愛唱歌とされている曲から2曲を選んでの編曲 ということになる。 Y氏から、資料到着の報告がメールで来た。 顔も知らなければ、ましてやどうのような性格の人であるのかもわからないため、どうしても文面からいろいろと推測してしまう。どうやら物腰が柔らかで穏やかなそうな人との印象を受けた。少しほっとした。どうしても「作曲家」というイメージからは、感性が鋭いゆえに、神経質な、性格的には鋭角な人を思い浮かべてしまう。そのような対極にある穏やかさを文面にたたえたメールであった。 さて、まずはアレンジ曲の選定である。これは、候補として選んだ曲の中から作曲者が2曲セレクトすることになっていた。「神人の栄光」「真心の道を迷わず失わず」「いざもろともに」「木綿崎山」を候補として挙げておいたが、私としては密かに「神人の栄光」「いざもろともに」の2曲になればいいかな、などと思っていた。何となく、典楽に一番合うように感じたからだ。 そこへ作曲者から「神人の栄光」を洋楽ピッチ、「いざもろともに」を典楽ピッチの2曲でいきたいという返事。「ビンゴー!!」である。相談の上、作曲者の意向通りで進めていただくとの回答を伝えた。2003年1月初旬であった。 ここからの大まかなスケジュールとしては、アレンジ曲を3月頃までに完成してもらい、検討を加えた上で、新曲の創作にかかってもらい6月頃までに完成、その年を検討期間として年末に完成、翌年は稽古をそれぞれ行い、翌々年の2月に大々的に発表という案配である。 また、新曲の歌詞も選定していかなければならない。歌詞は本教祭典での使用も想定し、教祖のみ教えから採るようにした。 歌詞案は、ざっと挙げると 新曲テキスト案(金光教教典抄『天地は語る』から抜粋) ○神は声もなく、形も見えない。疑えば限りがない。恐れよ。疑いを去れ。(012) ○疑いを放して広い真の大道を知れよ。わが身は神徳の中に生かされている。(042) ○真の道をいく人は、肉眼をおいて心眼を開けよ。(107) ○心は広く持っておれ。世界は広く考えておれ。世界はわが心にある。(111) ○神徳を受けよ、人徳を得よ。(138) ○神は昼夜も遠い近いも問わない。頼む心にへだてなく祈れ。(165) ○心は火や水では洗えない。真一心で心を洗って信心をせよ(170) ○天地の間に住む人間は神の氏子である。(172) ○信心する者は、山へ行って木の切り株に腰をおろして休んでも、立つ時には礼を言う心持ちになれ。(183) ○生きた神を信心せよ。天も地も昔から死んだことはない。金光大神が祈るところは、天地金乃神と一心である。(222) ○天に任せよ、地にすがれよ。(227) ○何事にも無理をするな。我を出すな。わが計らいを去って神任せにせよ。天地の心になっておかげを受けよ。(233) ○心配する心で信心をせよ。(243) ○我情我欲を放して真の道を知れよ。(266) ○人を一人助ければ、一人の神である。十人助ければ、十人の神である。(365) ○道は人が開け。おかげは神が授ける。(391) ○信心の道を迷わず失わず末の末まで教え伝えよ。(399) 等を候補にあげてみた、我ながらよく勉強したもんだ。 そして役員会などで相談を重ね、次の3つに決まったのである。 ○疑いを放して広い真の大道を知れよ。わが身は神徳の中に生かされている。(042) ○心は広く持っておれ。世界は広く考えておれ。世界はわが心にある。(111) ○天に任せよ、地にすがれよ。(227) |