記念曲制作ものがたり

邦楽と洋楽の融合を試みる曲を考えるについては、もう素人にはお手上げである。
そこで、Ｍ氏の紹介により、雅楽にも興味を持たれている作曲家Ｙ氏にお願いすることとなったのである。
Ｙ氏は、東京芸大作曲科卒でオルガニストとしても活躍されている方である。なにより、雅楽に興味を持たれているというのが有難い。洋楽の知識の上から邦楽にアプローチするきっかけを見つけてくれるのではないか。そのような思いからであった。
まず、Ｍ氏と依頼の仕方やどのような曲を作っていくのかについて、事前の打ち合わせを行うこととなった。２００２年、１０月の終わり頃のことである。

ピッチの差は、複数の曲をつくることで対処するように考え、とりあえず３曲１セットで行こうと言うことになった。典楽会が行うからには、２曲が邦楽ピッチの曲で１曲が洋楽ピッチの曲となる。合わない楽器は除外するが、どの曲にもコーラスを入れるという案配である。（その当時まだ組曲という構想はなかった・・・）
そして、いきなりこの新曲にチャレンジしてもらうのは、作曲者も我々も不安なので、１クッションおくこととし、まずお道の歌の中から２曲ほど選定して、洋楽、邦楽両方のピッチで１曲ずつアレンジしてもらおうということになった。「金光教の歌」の楽譜とＣＤを後日送ることとし、選曲は作曲者に一任するが、あまりに多いのも何なので、こちらで「神人の栄光」「真心の道を迷わず失わず」「いざもろともに」「木綿崎山」の４曲を一応候補として挙げておき、それ以外からの選曲も可能とした。
雅楽器とコーラスで合う曲は何だろう？個人的な思いとしては、「神人の栄光」と「いざもろともに」なんかがいいんじゃないかな？そんな思いは封印して作曲者へ一任である。それと、それぞれの曲の大まかな締切などを確認して、打ち合わせを終えたのである。
そして、その内容を、まずは作曲を依頼するＹ氏と知り合いであるＭ氏からメールを送ってもらうことにした。

私は、資料の送付係である。金光教のことも、典楽のことも知らない人であるだけに、色々なものを送りたいと思った。
列挙してみると
金光教典楽関連資料

金光教音楽関連資料

金光教教義関連資料

まあ、今思えば、えらくたくさん送ったものである。
として、まだ知らない作曲者のＹ氏に、希望と少し不安を覚えつつメールを送った。

＞このたびは、Ｍ氏を通じまして、私どもの願いをお引き受け
＞頂き、ありがとうございました。
＞　　ご依頼する内容については、Ｍ氏からの連絡の通りであり
＞ます。どうぞよろしくお願いいたします。
＞　さて、たいへん遅くなりましたが、金光教典楽関連、金光教関連の
＞資料を本日お送りさせていただきました。このほかに、必要と思わ
＞れるものがありましたら、遠慮なくご一報ください。できるだけＹ様
＞の意に添うように努力します。
＞　
＞　以上、用件のみにて失礼いたします。今後の連絡は、お手紙、電
＞話、メール、どれでも結構です。
＞メールが早いですかね。よろしくおつきあい下さい。