記念曲制作ものがたり
その2 楽器の編成を考える

今回の試みを考えていくきっかけとなったのは、同じ祭場という場の中で音楽の御用を承る典楽とコーラスなのに、なぜ一緒にできないのか?という素朴な問いかけであった。
ただ、思うのと実際に近づいてみようとするのでは大違い。その間には、さまざまな壁が横たわっていた。
まず、洋楽と邦楽が融合使用とするときに、一番妨げになるのが調律ピッチの違いである。
邦楽のA=430Hz、洋楽のA=440Hz、この差は聴く分にはかなり大きな違いとなる。
このたびの営みも、その壁をいかにして乗り越えるのかが大きな課題だったと思う。
いろいろと相談し智恵を出し合った結果、邦楽ピッチの固執することなく、洋楽ピッチでも典楽器で演奏すればいいし、典楽のピッチであってもコーラスは合わせることができるだろうから、両方のピッチを使用して、それに適応できない楽器を除外するということとなった。
洋楽ピッチであれば、笙はピッチ調整ができないので除外することになるが、箏は調律自由だし、篳篥、龍笛も音程を上げることが可能(龍笛は少々苦しいが・・)である。
典楽ピッチでは、音程を変えられないピアノが除外されることになる。オルガンは最近ではピッチ調整が可能な機種があるとのことらしい。
こうして楽器編成がほぼ固まってきた。次は、どんな曲を作るかである。