編集後記


 平成18年の新春を迎えた。結成50年の年を越え、さらなる未来に向かっての歩み出しをはじめていかなければならない。
 昨年は、6月に中国支部が岡山カトリック教会で「RNNヒーリングコンサート」に出演、10月には東近畿、中近畿両支部が比叡山延暦寺で「天台宗開宗1200年慶祝平和祈念会」の演奏が行われた。奇しくも、異なる宗教施設の中で本教の音楽が演奏される機会が重なったということに、今後の典楽が進むべき道の一端を垣間見たのは私だけではないだろう。
 キリストの大きな聖像や弥勒菩薩の下で、イスラムのコーランが朗誦され、密教の声明が謡われ、金光教の祭典楽が演奏されるという不思議な空間は、宗教や枠の違いを超え、この地上に生命を得た人として、ただただ大いなるものへの感謝と願いの場であった。このような大きな場に典楽が立てたことを感謝するとともに、今後の糧としていきたい。
 典楽が世に出るということは、その音楽とともに、その精神的な基盤である金光大神の道を世に送り出すことにつながる。広い視野に立った御用でありたい。