50周年記念行事を顧みて
石井 広明(東堀教会)


 正に千載一遇とも言うべき、50周年記念の祭典式典が、厳粛に荘厳にして優雅に執り行われ、多数のご来賓者臨席も蒙り、盛大なる行事が滞りなくお仕えいただけましたことは、一重に神計らいのおかげ、そして皆様方のご祈念とご協力の賜物と心から有難くお礼と感謝の意を表し、共々にお喜び申し上げます。
顧みますれば、役員会ではこの大事な節年のお年柄を3年後に控え、どのように取り組み、お迎えするのか、更に此の後における典楽会の在り方や各々が取り組む信心と楽人としての自覚姿勢の見直しなど、問題点も山積する中に有りて、毎回通常役員会後、長期に渡り慎重に議論を重ねて参りました。次第に拡大する構想を時間的にも経済的にも余裕のない制約の元で如何に効率よく集約してゆくのか、真に難しい状態の中、各人がそれぞれに記念事業を担当し、企画、実施へと向かうべく、体制を整えてまいりました。

その内容を振り返り見ますれば、新曲作成構想とそれに関わる作曲者や曲の意図と洋楽に熟知された指揮者との折衝、数回に及ぶ審議委員と演奏者との打ち合わせ、時には被る焦燥感を克服、紆余曲折を乗り越え、ついに前代未聞の和洋折衷曲が見事に完成の運びとなり、直ちに配布用のCDと楽譜本の作成に取り掛かりました。同時に典楽会の歴史を綴る『典楽ものがたり』の刊行、発行に関する校正、印刷、検閲など、また、一方においては記念式に伴う祭典式典、直会、ご来賓の方々への招請など、会場、祭具、備品借用、調饌献饌願などの準備と、関係機関との打ち合わせなど、膨大な計画が着々と進められました。

そして、2月19日、鈴木甫教務総長はじめご来賓の方々のご臨席を賜り、久保田紘二総務部長ご祭主の元に厳粛に麗しく記念祭並びに報徳祭が仕えられ、式典には、祝辞をはじめ記念曲の披露、また、三矢田光先生の記念講演などが執り行われました。記念曲の披露では典楽とコーラスとの合同演奏が行われ、三百名の参加者一同が感無量の共感を覚え、賞賛の内に式典を終了しました。引き続き、玉水教会控所に移動して、祝宴が行われ、総務部長からは『この新曲を祭典の中に活かされないか?』との力強いお言葉をいただき、役員共々が有難く感銘を受けました。

こうして記念の50年祭式典をつつがなく全てに神計らいの大みかげを蒙り、感激の気持ち一杯に、有り難く終焉の時をむかえました。
その成功裏には典楽会員は基より、多くの方々の絶大なるご協力とご指導を賜ってのことであり、紙面をお借りして改めて、ご臨席いただきましたご来賓の先生方、御用下さいました関係機関の先生方には深く感謝の意を表し厚く御礼申し上げます