カナダ国トロントにも楽の音が響いて

新宿教会 岸井和賀子




 10月28日、トロント教会設立40年記念大祭が御奉仕され、日本から15名の方々が参拝させて頂きました。
 26日夕方に日本を出発し、日付変更線を通るので現地には26日夜に到着しました。
 次の日は日本や北米、ニューヨーク、ニュージャージー、バンクーバーから集った方々の歓迎会が開かれました。始まる少し前からトロント教会長夫人と筝を始めたばかりで弾くだけのご信者の方と、日本から一緒に参拝した龍笛の方と4名で式次第に添ってお稽古をさせて頂き、歓迎会に出席し、舞人の方が来られたので中座して、舞と筝でお稽古をしました。
 笛の音で舞人さんが見えたと思うともう正面へ、あまりの早さについ「ダメ」と声をかけ、もっとゆっくり足を運ぶように言っても、教会長夫人が英語で説明し「スロースロー」ともう一度やり直し、十月十日の舞でしたが『香に匂ふ』の所で鼻で匂ひを香ぐのだから、もっと手を上に・・・と。
 当日は1〜2ヶ所直っても後は今まで通りでしたが、教外の方も大勢参拝しておられ、私の側に座られた方から、「この筝は日本からですか」と聞かれ、「記念祭に合わせて新調しました」と申しますと、「音色がとても良いですね。舞も初めて見ました。心が落ち着きました」と話しかけられ年配の方々は特に喜んでくださいました。舞人さんも顔は日本人でも三世、四世の方は英語しか話せないし、前日の2〜3回のお稽古では思うようになりませんが、記念祭に楽をとの思いが神様に届くものと心を込めて奏楽のおかげを頂きました。
 典礼の先生も英語、祈りの言葉も英語、ご祭詞は英語と日本語、神徳賛詞は日本語(英語の方用にローマ字で下に書いてある)でしたが、世界が一つになって仕えられたトロント教会でのご祭典は、特に身の引き締まる思いでした。