RNNヒーリングコンサート


平成17年6月29日、岡山カトリック教会聖堂においてRNN(人道援助宗教NGOネットワーク)が主催した「RNNヒーリングコンサート」が開催され、金光教の音楽として典楽会中国支部の楽人により吉備舞「春の調」が演奏されました。

このコンサートは、本年が戦争終結後60年の節年であること、60年前の今日6月29日が、岡山空襲の当日であることから、RNNに加盟するそれぞれの宗派・教団に伝わる宗教音楽を演奏することにより、慰霊と鎮魂そして世界の平和を共に祈ることを願いとして開催されたものです。

当日は、7つ宗派・教団(イスラーム・黒住教・キリスト教プロテスタント・キリスト教カトリック・真言宗・天台宗・金光教)から、それぞれ独自の音楽が演奏されました。黒住教からも同じ吉備楽が演奏され、とりわけ吉備楽のルーツとも言える「人長舞(にんじょうまい)」が演奏曲の一つとして披露されました。




当日配布パンフレットの典楽紹介文
 金光教の儀式に使用されている、日本古来の楽器で演奏される音楽を「典楽」といいます。「典楽」には、明治の初頭に旧岡山藩の楽人であった岸本芳秀(きしもと・よしひで)が、雅楽の伝統を生かして創作した「吉備楽」と大正期に金光教初代楽長尾原音人(おはた・おとんど)が創作した独自の祭典楽「中正楽」があります。本日は、「吉備楽」の中から舞が振り付けられている舞曲を鑑賞していただきます。
 吉備楽は、明治という新しい時代の息吹の中から誕生した、いわば明治時代のニューミュージックと言うことができます。雅楽の香りを持ちながらも、雅楽にはない新しいメロディやリズムそして舞は、当時としては近代的な感覚あふれる音楽としてもてはやされました。現在では、黒住教、金光教両教団の中でのみ伝承されていますが、百年以上の時をそれぞれに独自の展開を重ねて今日に至っています。
 本日は、平和な世の中に迎えた新しい年を寿ぐ吉備舞「四季の調べ」を金光教典楽会中国支部のみなさんにより演奏いたします。天皇制国家を目指していく明治という時代性を色濃く反映しながらも、新しい時代に対する明るく豊かな希望が込められた、きわめて伸びやかな音楽世界を、ぜひご鑑賞頂きたいと思います。
主催 RNN人道援助NGOネットワーク