レコード「神々の音楽」構成責任者
藤本寿一氏来訪
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前列向かって右から3人目、藤本寿一氏


平成26年4月2日、藤本寿一氏が来訪され、大祭奏楽者の稽古模様や祭典の習礼(リハーサル)を参観しました。
藤本氏は、音楽家であり、1976年(昭和51年)第31回文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞した「神々の音楽」の構成責任者で、昨年にCDとして復刻出版されています。典楽もその中に収録されています。
 今回は、関西に訪問する機会があることから、その際にレコードでの収録から40年近い歳月が経過しており収録当時と現在の音楽の変化について、ご自分の耳で確かめたいとの個人的な思いから来訪することになりました。

当日は14時頃に祭場楽人控え室ぶて実際の稽古風景に触れながら、「神々の音楽」制作の思いや、40年前の収録の苦労談等を聞かせていただき、また当方への質問等も交わされました。
現在の典楽について、氏の口からはっきりとした違いについて申されることはありませんでしたが、興味深く聞き入っておられました。
その後、祭場2階にて、大祭の習礼(リハーサル)を参観しました。最初に聞かれたのは、「みなさん紫の袴をはいているのか」といった問いでした。実は藤本氏は、神社の神主の資格をお持ちで、最初に見たときびっくりされたようです。神社では、袴の色によって神主のランクがつけられており、紫袴は最高位なんだそうです。本教の礼典の概要についてわかる範囲で説明させていただきました。口には出されませんでしたが、正中での作法等いろいろと興味深かったようです。
最後に吉備舞奉納を観覧し、離光されました。
今回の私的訪問は、まだ始めたばかりで、今後収録したすべての教団や組織を回ってみたいとおっしゃっておられました。70歳を越えてまだまだバイタリティあふれる方でした。

藤本氏、「神々の音楽」の詳細情報(じゃぽマガジン) http://japo-net.or.jp/pickup
 
 
藤本壽一(ふじもとじゅいち)

1943年(昭和18)、兵庫県生れ。昭和41年武蔵野音楽大学卒業。東京声専音楽学校(現昭和音大)講師。NHK・映画音楽等作曲に従事。昭和55年より渡仏、以降大規模野外劇演出に従事。欧州歴史催事協会(当時FEFMH・本部フランス)アジア担当副会長等を歴任。作品に、管弦楽付歌曲・万葉集より「立山の賦」、音楽詩劇「播磨風土記」他。劇作品に野外音楽劇「越中万葉夢幻譚」など。学術レコードに昭和52年度文化庁芸術祭大賞受賞作品「台湾原住民族の音楽」企画構成など。
[神道関係]昭和41年神社本庁より神職正階授与、昭和60年まで西脇八幡神社権禰宜を兼務。映画「The Great Feast of Japan(春日若宮御祭)」(春日顕彰会製作)脚本監督ほか。
(「神々の音楽」別冊解説書より転載)