「世界遺産」の地に典楽 響く
比叡山延暦寺にて典楽演奏

平成17年10月21日、WCRP(世界宗教者会議)日本青年部会主催による「天台宗開宗1200年慶祝平和祈念会」が、比叡山延暦寺の根本中堂で開催され、天台宗開宗1200年をお祝いし、世界平和への祈りをともに捧げる中で、典楽が金光教の音楽として、「世界遺産」の地に響きわたりました。
演奏奉仕には、典楽会東近畿・中近畿支部が協力してあたりました。

道楽「松吹風(まつふくかぜ)」の演奏
14時15分、延暦寺書院前に集合の後、典楽会楽人の2管通り(各管楽器2管編成)による道楽「松吹風(まつふくかぜ)」の演奏を先頭に、参列者は列を整え根本中堂に向かい、また根本中堂へ入堂の際には「中正楽第3」が演奏されました。

入堂後、14時30分から開式。まず主催者あいさつの後、教団別平和の祈りが、カトリック アトンメントのフランシスコ会、解脱会、孝道山本佛殿、金光教、松緑神道大和山、善隣教、天台仏教青年連盟、中山身語正宗、弓矢八幡、立正佼成会の計10教団により行われました。
その後、奉納行事として、弓矢八幡による獅子舞「幣の舞」、天台仏教青年連盟による声明「十方念仏」「諸天讃」、金光教典楽会による吉備舞「四季の詠(ながめ)」の奉納演奏が行われました。

「四季の詠(ながめ)」は、2人の舞人により奉納されました。
ご承知のように、比叡山延暦寺の根本中堂は、伝教大師によって延暦7年(788)に創建され、その後何回も災害に遭いましたが、復興を重ね、現在の姿は徳川家光の命で寛永19年(1642)に竣工したもので、根本中堂は国宝に指定され、延暦寺全体は「世界遺産」に指定されています。その中でも普段は入ることが出来ない内陣という場で、明治の息吹を伝えて金光教の中で伝承されてきた吉備舞を演奏することができるということは、身に余る光栄でした。

そして、閉式の辞の後、「中正楽第7」の流れる中を、参列者は根本中堂から退堂しました。

終了後、お世話をしていただいた延暦寺の僧侶の方から、「中正楽・吉備舞は見事でした。金光教は良い文化をお持ちですね」とお言葉をいただいたとのことです。
比較的新しい芸能である吉備楽、中正楽ですが、こんにちまで対外的な演奏の機会が少なかったため、その存在を知っている人たちは極めて少ないのが現状です。
こうした機会を通して、少しでもこのような芸能音楽があること、そしてその基底に金光教の信心があることを知ってほしい、との願いをもって臨んだ一日でした。

      日時:平成17年10月21日14:15
      場所:比叡山延暦寺根本中堂
      演奏曲目:奉納演奏 吉備舞曲「四季の詠(ながめ)」、
          入堂時奏楽「中正楽第三」
          退堂時奏楽「中正楽第七」
          道楽「松吹風(吉備楽祭典楽)」
      主催:WCRP(世界宗教者会議)日本青年部会

金光教による平和の祈り

吉備舞曲「四季の詠(ながめ)」

当日の楽人