典楽会、太平洋を渡る(北米、カナダ公開公演会開催)
2017年8月24日〜9月2日 於 アメリカ・サンフランシスコ、カナダ・バンクーバー |
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このたびの行事は、典楽を北米の信奉者をはじめ広く一般の方々にも鑑賞していただきたいとの願いを典楽会が受けてのものですが、もともとの発端はサンフランシスコ在籍の一信奉者の熱烈な願いであったとのことです。 今まで、典楽会有志として渡米、訪欧し公演会を行ったことは数回ありましたが、会組織として要請を受け楽人の派遣を行うのは初めてのケースです。 6月中旬から、開催時期や日程、派遣人員等、大枠の確認作業が、典楽会、北米それぞれで始められました。何分初めてのことであり、多額の経費も伴うところから、派遣人員は必要最小限の人員にとどめる一方、ワークショップ等、典楽指導の場も設定が願われているところから、一定の技量を持つ楽人の派遣が必須です。 また、長期間にわたり仕事や学業を休める方からの選定という条件や北米側、典楽会側の行事日程の折り合い等々から、この時期の派遣となりました。 日本国内での2回にわたる打ち合わせを行い公演会のプログラムやMC原稿の協議、実際の演奏曲目の実演等を経て、8月24日金光教本部に集合、本部広前にて出発のご祈念・お届けの後、一路関西国際空港から北米サンフランシスコに向かいました。 主な日程は以下の通りです
サンフランシスコでの公演は、地域の新聞メディアやインターネットメディア数社から、事前の取材申し込みがあるなど、地域の話題に取り上げられたようです。 2時間にわたる公演は、吉備舞曲を中心にして、中正楽、吉備楽、また現代の洋楽アレンジも披露するなどバラエティに富んだもので、聴衆からはそのつど大きな拍手が響きました。 翌日のワークショップでは、まったくの初心者であった方が、最後の成果発表の場では吉備楽、中正楽を各1曲演奏ができるようになるなど、大きな成果を収めることができました。 バンクーバーでの公演も盛会裏に終えることができました。 期間中を通して、派遣楽人には大きな重圧がかかっていたといいます。国内で2時間の公演を行うならば少なくとも今回派遣の倍以上の陣容で臨んでいたでしょう。着付けを行う人、専属のMC、スタッフと呼ばれるいわゆる裏方さん等々。 ところが今回は最低限の人員での開催であり、演奏者自らがリハーサルを行い、不備への対処を考え進行表を練り直す。舞人も通常は化粧から着付けまで、他の人にしてもらうのが当たり前でしたが、今回は一人で出来るところは自ら行わなければなりません。それが却って「自信になった」との声も聞かれたようですが、それぞれが準備から実施まで大変なご苦労であったと思います。 はじめて、典楽会からの海外派遣でした。とりわけサンフランシスコ教会では、教会設立当初から行われていた奏楽もいつしか中断し、楽器が残されているのみとなっていましたが、このたびのことを通じて奏楽が復活されることになり、来る記念祭に向けて奉仕者の拡充に力をそそいでいくとのことです。 今回のことを通してアメリカ・カナダに典楽に興味を持たれる方々が増加し、典楽を採用する国外の教会がさらに生まれてくるならば、ありがたいことであると思います。 そして、その中から一人でも本部楽人を目指す方が現れるならば、望外の喜びです。
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