吉備楽(きびがく)


吉備楽は、明治の初頭に雅楽等をベースにして岡山に生まれた邦楽です。
一番の特徴は、雅楽では補助的な役割を担っていた楽器である箏を、伴奏の主役として使用する点です。
すべての曲目にはそれぞれ歌詞がついており、演奏者はそれを歌いながら琴で演奏します。今で言うギターでの弾き語りに似ています。それに、雅楽に使用する楽器である三管(笙、篳篥、龍笛)や三鼓(太鼓、鞨鼓、鉦鼓)等による伴奏が付きます。
この吉備楽は、明治時代のニューミュージックといえます。雅楽の香りを持ちながらも、雅楽にはない新しいメロディとリズムは、当時としては近代的な感覚あふれる音楽としてもてはやされました。
なお、誕生当初に吉備楽に取り入れられた歌詞には、当時の国学や国家政策の影響が顕著に見られます。
また、舞が振り付けられている曲があります。この舞を「吉備舞」と言います。