吉備楽の分類



大阪放送局にて典楽の収録(大正14年10月)
吉備楽は大別して、「家庭楽」、「余興楽」、「祭典楽」に分類することができると言われています。

「家庭楽」とは、家庭で「六段」や「千鳥」等を弾くのと同じように趣味として演奏されるものです。「余興楽」は、その名が示すように演奏会などで奏される曲で、そのほとんどが歴史上の有名な物語を取り上げて作詞作曲し、舞を振り付けています。「祭典楽」は、宗教行事の中で演奏されるものです。

金光教では、「家庭楽」にある音楽演奏のみの曲目は、伝承されていません。これは、たぶん儀式音楽として、祭典の式次第にあわせて作られている「祭典楽」とともに、奉納舞として使用することができる「余興楽」と、舞が振り付けられた「家庭楽」の一部が積極的に取り入れられたことにより、舞が付随しない演奏のみのものは、すたれていったのではないかと考えられます。

したがって、現在、金光教では吉備楽を振り付けられている舞を重要視して捉え「吉備舞曲(吉備舞)」「祭典楽」とに分けます。また、「吉備舞曲(吉備舞)」のうち金光教の儀式で奉納舞として使用するものを「奉納舞」、さまざまな演奏会やアトラクションで使用するものを「演奏舞」と呼んでいます。
 また、「演奏舞」のうち「余興楽」にある、歴史上の有名な物語を扱ったものを特に「歴史舞」と呼んでいます。




教祖30年祭吉備楽演奏会